相続したマンションの売却には、1人で相続したものを「誰も住まないから売ろう!」というパターンと、複数の相続人で「売却して現金を公平に分けよう!」というパターンがあります。
特に複数の相続人で分割するときに、複雑になってきます。
いくつかのパターンを検討してみたので参考にしてください。
相続したマンションの売却にかかる税金はこちらの記事でまとめています。

この記事の目次
相続時の遺産分割方法は4種類
- 現物分割:マンションはA、株式はB、現金はCなどそのまま分ける方法
- 換価分割:不動産や株式などを売却して現金を分配する分け方
- 代償分割:高価な不動産を相続する人から、他の相続人に代償となるお金を支払う分け方
- 共有分割:不動産を相続人全員で共有名義にする分け方
相続が発生したら相続登記で所有権を移す
(※相続登記が終わっていればここは飛ばして大丈夫です。)
売却しようと考えているマンションの名義を亡くなった方から相続人へ移すのが相続登記です。
不動産売却前には相続登記を必ず終わらせておく必要があります。すぐに売る場合でも名義が故人のままでは売却できません。
相続登記のためには、戸籍謄本を集めたり、遺産分割協議書を作って相続人全員の署名と実印押印をしたり、とても手間と時間がかかります。
今すぐマンションを買いたい人が現れても、相続登記をしていないと売ることはできません。
相続したマンションを売ろうと思っているなら、早めに司法書士や弁護士に相談して、相続登記を終わらせましょう。
またどうやって遺産分割をするかもしっかり相続人同士で話し合いましょう。思い込みによるトラブルは避けてください。
相続人が1人だけの場合や現物分割で名義が1人ならシンプル
相続後のマンションの名義があなただけになっていれば、普通にマンション売却する流れと変わりません。相続人があなた1人しかいなかったり、現物分割や代償分割でマンションを相続したケースが考えられます。
この場合のマンション売却は、一般的な以下の流れで進めていきます。
- 不動産業者に査定を依頼する(できれば複数の業者に依頼)
- 気に入った不動産業者と媒介契約を結ぶ
- 売り出し活動をする
- 購入希望者の内覧
- 購入申込書を受け取り価格交渉をする
- 売買契約を結び、手付金を受け取る
- 残りの代金の決済とマンション引き渡し
- 確定申告・納税
確定申告のときは親(祖父母)がマンションを購入した金額や購入した時期をベースに計算するので、昔の売買契約書がないか遺品整理で処分されないよう早めに探しておくといいでしょう。
また不動産会社探しには一括査定を利用して複数のところを比較するようにしてください。

相続人が2人以上の場合は遺産分割協議書で換価分割する旨を記載が理想的
換価分割とは、不動産や株式を現金に換えたあとで分割するという意味です。
マンションの場合は中古として売却して、その売却代金を相続人で分けることになります。
現金なら公平に分けられるので、よく使われる手段です。
マンション売却の手続きをする上で、複数の名義人にしてしまうとその都度全員の承諾や立ち会い、印鑑が必要になって面倒なので、代表の1人に名義を移して売却活動をします。
このとき遺産分割協議書で換価分割のために便宜上1人の名義にすると記載しておかないと贈与税が発生してしまうリスクがあります。
このあたりは換価分割の手続きに慣れた司法書士や弁護士を探して依頼するのが安心です。
もし換価分割ではなく代償分割で相続した方がいい場合もアドバイスしてもらえます。
代償分割で相続した方がいい場合
マンション売却代金を全員で分割して受け取るには基本的には換価分割が簡単ですが、職業や加入している健康保険によっては代償分割という方法がいいパターンもあります。
代償分割とは、不動産を1人が相続する代わりに、代償金を払ってバランスを取る相続方法です。
たとえば5000万円のマンションが遺産にあり、5人の相続人がいる場合、1人がマンションを相続して、残りの4人に1000万円ずつ支払う。これが代償分割です(実際は不動産譲渡所得に税金がかかるので、その税金分を割り引いて分けます)。
代償分割で相続したマンションを売却する方法でも換価分割と同じ配分で現金を分け合うことが可能です。
しかし、先に代償金を支払うために一時的な出費があるので、あまり選ばれない方法です。
代償分割を選ぶのは、換価分割で譲渡所得があると、
- 国民健康保険や後期高齢者医療制度加入で翌年の保険料アップ
- 家族の扶養から外れる
という相続人がいる場合です。これらのケースでは代償分割を選ぶメリットがあります。
どの方法が実際にお得なのかは司法書士や弁護士に相談して選びましょう。素人判断では気がつかない問題で大きな損を被るかもしれません。
すでに共有分割で相続登記が終わってマンションが共有名義となっている場合
換価分割や代償分割ができなかったときの最後の手段として共有分割があります。
共有分割のデメリットはとにかく手続きが面倒になる点です。
不動産会社に売却を依頼するとき、買主と売買契約を結ぶとき、決済代金を受け取るとき、全員の承諾と実印、印鑑証明書、立ち会いが必要になります。もし立ち会えない場合は、委任状で対応します。
全員の考え方が同じわけはないので、マンション売却の過程でもめ事が起こりやすく、おすすめできません。
これから相続登記をする段階なら、なるべく共有名義にならないように換価分割や代償分割でマンション売却を進めましょう。
もしすでに共有名義になっている場合は以下の記事で、共有名義のマンションの売却方法を解説しています。

相続税を経費にするために死亡から3年10ヶ月以内にマンション売却をする必要がある
マンション売却をして利益が出ると所得税や住民税を納めなければいけません。
その際は、いくらでマンションを購入したか(取得費)、売却にあたってどんな経費がかかったか(仲介手数料や収入印紙代など)を計算して、譲渡益を出します。
譲渡益を計算するときに、経費として相続税の一部を差し引けるのが、相続税が取得費に加算される特例(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)です。
計算方法などは国税庁のリンク先をチェックしてみてほしいのですが、けっこう複雑なので相続でお世話になった税理士さんがいれば、その方に相談する方が無難です。
1点だけ注意してほしいのが、この特例を利用するには死亡から3年10ヶ月以内に売却完了する必要があることです。
「相続して何年も空き家だから、いっそのこと売ろうかな……」と思って売却活動を始めた方は期限が近づいているかもしれませんので、注意してください。
相続したマンションを売却したときの税金についてはこちらの記事でまとめています。

まとめ
相続したマンションの売却は、どの方法を選ぶかでかなり手続きが変わります。
基本は
・1人で相続したなら、普通に売却を進める
・2人以上で分割するなら換価分割
です。
どの方法を選んだらお得なのか迷うようなら、司法書士や弁護士に相談するのがおすすめです。複雑な手続きと専門知識を自分で調べていくのは限界があります。
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