マンションを貸すか売るか。「貸す覚悟」はあるか?

購入して住んでいた分譲マンションが不要になった際、「貸すか、売るか」の2択が頭に思い浮かぶ人も多いでしょう。

貸すことができれば家賃収入が得られ、その中から住宅ローン返済もできて万事解決と安易に考えてしまいがちですが、貸すことにもそれなりのリスクがあります。

この記事では、貸すことを検討する前に知っておいてほしい制度3つ、貸す場合と売る場合それぞれのメリット・デメリットなどを紹介します。

貸すか売るか迷っている人に知っておいてほしい制度3つ

1.サブリース

サブリースとは、入居者がいてもいなくても関係なく一定の家賃を業者が支払ってくれるサービスです。サブリース業者は、その金額より高く、しかし相場並みの賃料で入居者に貸し出して利益を出します。

そのため、普通に賃貸募集するよりも、収入は少なくなってしまいます。

さらに数年後に値下げ要求をされることも多く、泣きを見る大家も多いそうです。

2.リロケーションサービス

リロケーションサービスとは、海外赴任などで住めない一定の期間だけ貸し出せるサービスです。

制度としてはサブリースと似ていますが、ふたたび住みたくなったときに3ヶ月や6ヶ月前などに申請しておくことで、スムーズに自宅に戻れる点が異なります。

転勤などで数年後に戻ってくることが決まっている人には便利なサービスです。

参考:リロケーションとは?転勤中の留守宅をかしこく貸す仕組みを知っておこう

3.定期借家契約

定期借家契約は、賃貸期間を予め定めておいて、その期間が満了したら退去する賃貸契約のことです。

例えば、2年の定期借家契約なら、2年後に入居者は必ず退去しなければいけません

なぜこういう制度があるかというと、普通の賃貸契約では入居者の権利が強すぎて大家の一存では退去を強制できないという問題があるからです。

転勤などで家を空けている間だけ貸したかったのに、退去してもらえないという事態を防ぐために、定期借家契約を利用します。

マンションを貸すメリットとデメリット

ここでは、サブリースやリロケーションサービス、定期借家契約ではなく、普通に賃貸募集をして貸す場合を想定して述べます。

貸す場合のメリット

  • 家賃収入。住宅ローン返済額より高く貸せる可能性もある。
  • 礼金の収入がある。
  • 分譲賃貸は高く貸せる可能性が高い。
  • 住宅ローン金利や固定資産税などが経費になり、税金が安くなる。

貸す場合のデメリット

★マーク付きの項目はサブリースやリロケーションを利用することで解決します。

  • 住宅ローン返済額や管理費・修繕積立などと家賃のバランスによっては、持ち出しが発生する。
  • ★退去のたびに内装などのリフォーム費用がかかる。
  • ★入居者からのクレーム対応が面倒くさい。
  • ★室内設備の故障などは大家が支払わなければいけない。
  • 賃貸に出すと部屋の傷みが激しい
  • 喫煙者が入居すれば、部屋がタバコ臭くなってしまう。
  • 自殺など事件が起これば部屋の価値が暴落する。
  • 当初の家賃からどんどん下がっていく
  • 空室になれば家賃収入がなくなる。
  • (別の家を買う場合)住宅ローンを完済していないとダブルローンとなり、貸してもらえないかもしれない。
  • ★一度貸すと収益物件の扱いとなり、今後売るときの査定金額がシビアになる。
  • ★思い通りに退去してもらえない
  • 金融機関の承諾がないまま貸すと住宅ローンの一括返済を求められる可能性がある。金利の高いアパートローンなどへの借り換えを迫られることも。
  • マンションの大規模修繕で多額の支出が必要になるかもしれない。
  • 確定申告の手間がかかる。

マンションを売るメリットとデメリット

貸す場合と比較して売ることのメリットとデメリットをピックアップしてみました。

売る場合のメリット

  • 賃貸管理をしなくていい。
  • 築年数が浅いうちに売った方が高く売れる。
  • 別の家を買うときに住宅ローンを借りやすい

売る場合のデメリット

  • マンションという資産がなくなる。
  • 長年住んだ我が家がなくなると寂しいという感情面の問題。
  • 相続時に建物より現金の方が価値が高いので、相続税が高くなる可能性がある。

いつか戻ってくるなら貸すのもアリ、基本は売る方が良い

いつか戻ってくるのが確実な場合

3年間の海外勤務が決まったが、その後は帰国することが確実なケースなどでは、売らずにリロケーションサービスを利用するもアリだと思います。

リロケーションサービスなら、上で挙げた貸す場合のデメリットの★マークが付いたものは心配しなくてよくなります。参考:リロケーションとは?転勤中の留守宅をかしこく貸す仕組みを知っておこう

基本的には売る一択

いつ戻るか分からない転勤や介護のための実家への引っ越し、住むつもりのない相続不動産などは、基本的に売る方がいいでしょう。

賃貸管理はかなり気を遣いますし、しばらく貸してタイミングを見て売ろうという考えは収益面から見ても甘いと思います。

マンションは建物だけの価値なので、建物が古くなれば値段はドンドン下がります。家賃収入を何年か得ても、受け取った家賃総額以上に売却金額が下がっているかもしれません。

また、空室リスクもあります。もし1年間入居者がいなければ、かなりの損失です。かといってサブリースやリロケーションでは家賃相場より安い収入しか得られません。

貸している以上、どんなトラブルが起こるかは誰にも分かりません。突然の退去だけでなく、火事水漏れからご近所トラブル、室内での自殺まで、ないとは限りません。

猛勉強して大家業をしたいわけじゃないなら、売ることをおすすめします。

売ってしまえばその時点で、収支が確定します。一方、貸している間は収支が変動し続けます。

最終的に貸すか売るかどっちが金銭的に得なのかは単純には判断できません。しかし、今売ることで一定の金額に収支を固定することはできます。何年もハラハラし続けるよりはよっぽどマシです。

HOME4Uなどの一括査定サイトを利用すれば、売却もスムーズに進むでしょう。複数の不動産業者に査定を出してもらった上で、対応や話の内容を信頼できる業者に売却を依頼しましょう。

「早く売りたいなら相場より安い値段で」「高く売りたいならじっくり時間をかけてやりましょう」とあなたの希望に添った提案をしてくれる業者に依頼したいところです。「とにかく高く売ります」という独りよがりの提案をする業者には注意しましょう。

まとめ

貸す方がいいのはリロケーションサービスを使うような短期のケースのみです。他のケースでは手放して損益を確定させた方が安心です。

マンションを貸すことを皮切りに大家業にチャレンジするなら止めませんが、素人が簡単に収益を上げられるほど甘い世界ではありません。お金の出入りだけでも、家賃と住宅ローンだけでなく、税金や管理費、室内リフォーム、設備更新など、知っておかなければいけないことが多岐にわたります。

なんとなく貸すことを検討しただけなら、迷わず売りましょう。

売却と賃貸を比較したいなら、マンションナビで査定をもらうのがオススメです。売却と賃貸の査定を同時に受けられる一括査定サービスです。

もし住宅ローン残債が多くて、売却ができないようなら、任意売却という方法もあります。

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