マンション売却では「物件の囲い込み」にも要注意

マンションを売却するためには、知り合いに買いたい人でもいない限り、専門家である不動産業者に仲介を依頼することになります。

ですが、依頼する業者によっては、物件の「囲い込み」という手法をとることがあるので注意が必要です。「囲い込み」は売主にデメリットしかない手法です。

2015年4月の週刊ダイヤモンドに掲載された記事で「囲い込み」という言葉を知った人も多いのではないでしょうか。以下のページで読むことができます。

では、「囲い込み」とは一体どんなやり口で、売主としてはどのような対処法があるのでしょうか。

この記事では、マンション売却での「囲い込み」について解説します。

そもそも「囲い込み」ってなに? なぜ発生するの?

photo credit: wonton caged via photopin (license)

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例えば、あなたがマンション売却にあたりX不動産と「専任媒介契約」を結んだとします(媒介契約の種類についてはこちらの記事で解説しています)。

専任媒介なので、あなたは3ヶ月間、他の不動産業者に並行して売却を依頼することはできません

本来であればX不動産は、媒介契約を結んで7日以内に「不動産流通機構(レインズ)」にあなたの物件情報を登録しなければいけません。その上で、さまざまな不動産業者から購入希望者を紹介してもらい、早期の売却成約を目指すのが通常です。

しかし、一部の不動産業者は専任媒介契約を逆手にとって「囲い込み」を行うのです。

売却を依頼されたX不動産の気持ちになって考えてみましょう。

ここでは売却希望のマンションがとても人気のあるマンションで、非常に商品価値が高いと仮定します。

レインズを見た他の不動産業者から購入希望者の紹介を受けて、売却が決まれば、X不動産の売り上げはあなたから貰う「売主側の仲介手数料」のみとなります。

売れにくい立地や、割高な価格設定のマンションであればそれも仕方ありませんが、このマンションは人気の高い物件です。あえて他の不動産業者の手を借りなくても、自社の営業力だけで購入希望者を見つけられるかもしれません。

もしも、X不動産自らが購入希望者を見つけることができれば、X不動産は「売主側の仲介手数料」と「買主側の仲介手数料」を得られます。つまり、2倍の儲けになるのです。このように1社で売り手と買い手を仲介する方法を「両手仲介」と言います。

一方、売り手と買い手に別々の不動産業者が関係している取引を、「片手仲介」と言います。同じ取引でも得られる収入が2倍になるため、不動産業は「片手仲介」よりも「両手仲介」を好みます。

そこでできれば「両手仲介」をしたいと考えたX不動産は、以下のようなことを企みます。

  • 意図的にレインズへの登録を遅くする。
  • レインズに登録したとしても、問い合わせをしてきた不動産業者に対して「現在、すでに商談が入っている。契約間際。売主が海外にいて対応できない。」などと事実とはちがう嘘の対応をする
  • レインズへの登録後、登録証明書をもらい、その後すぐに登録を削除することで、他社に情報を隠しながら、売主には登録していると虚偽の説明をする。

このようにして自社で買主を見つける時間を稼ごうとします。

これが「囲い込み」が発生するメカニズムです。

要するに、専任媒介契約を交わしたX不動産が儲けたいがために、あなたのマンションの募集を自社で事実上「囲ってしまう」のです。

「囲い込み」がもたらす被害

「囲い込み」の厄介なところは、売主が被害を受ける点と、それに売主がほとんど気づけない点です。

実際に物件の「囲い込み」が行われると、次のようなことが起こりえます。

売主が被害を受ける事例1:他社経由の紹介を断って、安い金額で両手取引をまとめてしまう

2000万円で募集を開始したところ、レインズ経由で他の不動産業者(A)から2000万円で買いたい人がいるとの申し込みが不動産業者(X)に入ったとします。

しかし、自社で買主を見つけて2倍儲けたい不動産業者(X)は、この話をすぐに受けずに「現在商談中」などと嘘をついて話を「保留」にします。

その後、不動産業者(X)は買主を見つける力が弱く、2000万円で買ってくれる人は見つけられなかったのですが、「1800万なら買いたい」という人を見つけることができました。

不動産業者(X)は、他の業者(A)経由の2000万円で買いたいという話がすでにあるにも関わらず、売主にはそれを伏せたまま、自社で見つけてきた買主に1800万円で売るよう売主を説得してしまうのです。

「値下げしてでも今売っておかないと、次の購入希望者はなかなかいないかもしれませんよ」

と事実とは全く違うことを告げて説得を試みます。

不動産業者(X)は、他の業者(A)経由で売却が決まると、2000万円の3%+6万円で66万円の売主側の仲介手数料しか得られません。

しかし、1800万円に値下げしても自社で買主を見つけられれば、1800万円の3%+6万円の60万円の仲介手数料を売主と買主の両方から得られます。

つまり、1回の取引で120万円の仲介手数料を得られることに。少々値下げしてでも両手仲介にした方が不動産会社の儲けは大きくなるのがよくわかります。

万が一このまま1800万円で成約になれば、実質的には売主が200万円損をしたことになりますが、「囲い込み」されていたことを知らないため、売主は自分が損をしていることにまったく気がつかないのです。

売主が被害を受ける事例2:既存の購入希望のお客さんの出せる金額まで値下げを迫られる

上の事例は売却依頼が来てから買主を探すケースでした。そうではなく、「1700万円くらいで中古マンションを探している」というお客さんを不動産業者(X)がすでに抱えているケースでも「囲い込み」は考えられます。

不動産業者(X)からすれば、2000万円の売主の希望価格を「どうやって1700万円まで持っていくか」がポイントです。

具体的には「囲い込み」を徹底的に行って、数ヶ月後に「2000万円ではまったく売れませんね」と売主に値下げを提案します。売り出しから何ヶ月経っても買い手がいなければ、売主は弱気になって値下げに応じるしかありません。

そうはいっても1度で300万円もの値下げは難しいので、時間をかけて複数回に分けて、売り出し価格を下げるよう提案していくでしょう。

値下げが進み1800万円程度になった時点で、「1700万円なら買いたいという人が現れました!」と話を持っていくわけです。

売れるまでに時間がかかった上に、本来の価格より300万円も安くなってしまったのですが、売主はそのことをまったく知らないままなのです。

「囲い込み」につながりやすい「両手仲介」は法的に問題ない?

さきほども説明したように、「囲い込み」が起こる最大の原因は「両手取引」にあります。

「両手仲介」の是非については、国会などでも何年も前から議論がなされています。

売主と買主の両方を仲介するということは、民法で言うところの「双方代理」にあたります。法的には、本人が予め認めていれば双方代理も有効となります。

しかし、よく考えてみて下さい。

売主と買主を同じ不動産業者が担当するということは、原告と被告の両方を同じ弁護士が弁護するような状態なのです。

売主と買主の利益は一致しないのが普通です。売主は「高く売りたい」、買主は「安く買いたい」と思っているのだから当たり前です。本来であれば「両手仲介」は不動産業者以外にとって良いとは言えません。

一時期、民主党政権下で「両手仲介」を規制しようとする動きがありましたが、結局のところそれは実現せず今日に至っています。

欧米では「両手取引」が禁止されている国もあります。たとえば、アメリカの多くの州は両手取引禁止です。

売主の損につながる「囲い込み」は決して許されることではありません。そもそも「囲い込み」は宅地建物取引業法違反であり、レインズの利用規定でも「元付業者による登録物件の正当な理由のない紹介拒否行為の禁止」としてハッキリ禁止されています。

しかし、実際のところ「囲い込み」は立証が難しく、原因となっている「両手仲介」を禁止することもできていないため、防御しにくいのが実情です。

そこで導入される予定なのが、レインズの「ステータス管理」です。

囲い込みの心配がなくなるレインズの「ステータス管理」が2016年1月からスタート

「囲い込み」を防ぐために、2016年1月からレインズに「ステータス管理」が導入されました。

「ステータス管理」では、売主が物件の営業状態をインターネットで確認できるようになり、実態と違っていればすぐにわかります。

ステータスは「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類が表示されます。

売主の立場からは、買付申込書をもらっていないのに「書面による購入申込みあり」、売り出し中なのに「売主都合で一時紹介停止中」というステータスになっていないかチェックできます。

また、不動産業者同士でも「公開中」となっている物件を紹介しないような「囲い込み」があれば、レインズを管理する各機構に申し出ることで、ステータス管理違反として処分を求めることができます。

東日本・中部・西日本・近畿の各レインズに同じ機能が導入されています。

「囲い込み」防止策

ステータス管理が導入されて減っているはずですが、なるべくされにくくするための「囲い込み」防止策を紹介します。

  • 専任媒介契約を交わしたら、必ず7営業日以内に不動産流通機構(レインズ)に登録したという「登録証明書」の発行を受けましょう(登録後、即削除という手を使っている可能性もあるので、証明書だけでは安心できません)
  • 「囲い込みってネットの記事で見ましたけど、そういうのはありませんよね?」と釘を刺しておく(不動産に詳しそうと思わせたら、相手も下手なことはできないはずです)
  • 募集期間中は、問い合わせ件数や引き合い等を細かく確認しましょう

上記の他にも、不動産業者のふりをして物件確認を入れる方法や、買主のふりをして他の不動産業者にレインズを見てもらう方法などもありますが、身分を偽っているため、問題がないとは言い切れません。売主だから何をしてもいいというわけではないので、控えておいた方がいいでしょう。

ステータス管理機能を上手に使いましょう。

一般媒介なら「囲い込み」の心配はゼロ

専任売却ではなく、一般媒介を利用して複数の不動産業者に売却を依頼すれば、「囲い込み」の心配はなくなります

しかし、一般媒介は普通の人にはハードルの高い売却方法です。

  • 不動産業者の売ろうとする意欲が薄れがち
  • 複数の業者からの内覧希望の時間調整を自分でしないといけない

といったデメリットもあります。

自分の売ろうとするマンションが中古市場で人気があり、手間を惜しまないという人はチャレンジしてみてもいいと思いますが、普通の人は専任媒介契約で依頼する方がいいでしょう。

まとめ

2016年1月から始まったステータス管理があれば、「囲い込み」は激減するはずです。

「囲い込み」にあわないために最も重要なことは、自分自身が売却に関する知識をつけ、マンション売却を不動産業者任せにしないことです。

「囲い込み」は、不動産業者が売主をいわば「騙す」わけですから、相手にこの人だったら「騙せそう」と思われることが一番問題なのです。

例えば、「専任媒介契約を交わしたら、7営業日以内に不動産流通機構(レインズ)に登録しなければならない」ということを予め知っている売主であることを強調すれば、不動産業者も「この人は不動産に詳しいのかも」と思い「囲い込み」をためらいます。

不動産業者に依頼をするときには、自分が「ズブの素人」であると認識させないことが、何よりの防衛策となるのです。

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一般的なマンション売買では、売主と買主をそれぞれ別の不動産会社が担当します。しかし、同じ不動産会社が両方の担当をするケースがあります。

売主と買主から仲介手数料を受け取れるため、できれば他社からは買ってほしくないとまで考えます。

売り手の立場で見ると、値下がり売却期間の長期化につながるので、避けたい状況です。

ソニー不動産の売却エージェントサービスは、このような両方の代理を禁止されていて、売りたい人のためだけに働いてくれます。詳しくは下記のソニー不動産のページで図解されています。分かりやすい動画もあるので一度チェックしてみてください。

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