遠方のマンションを売却する方法

通常、マンションをはじめとする不動産の売買契約は、売主と買主双方が「立会い」の上で売買契約書に署名捺印を行い、手付金の受け渡しを行います。

しかし、万が一あなたが転勤で地方に行っていたり、海外赴任をしていたりするような場合でも、契約のためだけに交通費をかけて足を運ばなければならないのでしょうか。

今回は、このような「遠方」にあるマンションを売却する方法について解説していきます。

募集活動における注意点

マンション売却の募集に出す際に、まず不動産業者と「媒介契約」を結びます。

これは対面である必要はなく、郵送契約で問題ありません。

ただし、「お部屋の中」の状態には注意が必要です。

通常、あなたがそのマンションに住んでいる状態で売却に出した場合であれば、あなたの立ち会いのもと、購入希望者が室内を内見でき、より物件が売れやすくなります。

しかし、あなたが転勤や海外赴任でマンションにいない場合、そこには多くの荷物が残っている可能性があります。この状態では、不動産業者によってはあなたの立ち会いがなければ、室内の内見を断る可能性があります。盗難や器物損壊など不測の事態に備えるためです。

そのため、荷物が置いてある遠方のマンションを売却する際には、事前に室内の状態を不動産業者に説明した上で依頼するかどうかを考えましょう。

募集自体はあなたがどこにいようが、不動産業者が行いますので問題ありません。

ただ、売主が遠方に住んでいると営業マンの気が緩みがちになるので、最低でも「週に1回程度」は募集状況を報告するよう営業マンに伝えておきましょう。そう伝えるだけで、営業マンの気持ちが引き締まります。

契約上の注意点

ここが一番気になるところではないでしょうか。

冒頭にも書きましたが、売買契約は買主、売主、不動産業者の三者立会いが原則です。ですが契約書に署名捺印するためだけに、わざわざ海外から帰国しなければならないとしたら大変です。

そこで、三者立会契約以外にもこんな方法があります。

1:契約書の持ち回り契約

売買契約書自体を郵送で送ってやり取りをする方法です。

予め買主に契約書の署名捺印をもらい、それを遠隔地にいる売主であるあなたへ郵送で送り契約を締結します。

法律上は、買主、売主が持ち回り契約の意味を理解し合意の上であれば有効に成立します。

契約成立のタイミングとしては、売主が契約書に署名捺印をして、買主に交付(ポスト投函または不動産業者へ手渡し)した時となります。
(民法第526条1項:隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立する)

ただし、立会いできないことを買主が心配することも少なくなく、持ち回り契約を懸念するケースもあります。

また、手付金の交付についても、契約と同時に行う事が困難なため(振込などで対応することになります)、これらの点を事前に考慮の上、買ってくれる人を探す必要があります。

2:家族または知人による契約

例えばあなたが単身赴任で海外にいる状態であれば、日本にいる家族や知人にお願いして契約をする方法もあります。

実際、中国や台湾の個人投資家は日本にいる知り合いの中国人に、契約の立会いを依頼して契約することも多くあります。

ちなみに、この方法は細かく分けると次の2つがあります。

契約書の持参による契約

家族や知人にあなたが署名捺印した契約書を渡し、それを契約日当日に持参してもらい買主と契約をするやり方です。

代理人による契約

契約日当日の契約書への署名捺印自体を、家族や知人に依頼する方法です。これを「署名代理」と言い、法律上も有効となります。

ただし代理人がした行為の責任はあなた自身が負うことになり、言い訳はできません。署名代理を頼むときは家族などの絶対的な信頼をおける人にお願いしましょう。

代理人についてはこちらの記事で解説しています。

代理人にマンション売却を委任する方法と注意点
売買契約などを代理人に委任する方法や買主が代理人を寄越したときの対応などを解説しています。

まとめ

あなた自身が契約に立ち会わなくても、契約自体を締結する方法はいくつかあります。ただし、立会契約に比べて少なからずリスクがありますので、不動産業者によっては持ち回り契約や代理人による契約では扱わない場合もあります。

のちのちのトラブルを防ぐためにも、契約日当日に立ち会えそうもない場合は、媒介を依頼する段階で不動産業者にその事情を説明し、それでも対応してくれるかどうかを確認しておきましょう。

海外在住での売却についてはこちらの記事でも解説しています。

海外赴任でマンションを売るための方法と流れ
海外赴任になってマンションを売却する場合、海外からの手続きは少し面倒になることを知っておきましょう。

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