売買契約の手付金と手付解除について知っておこう

photo credit: stash via photopin (license)

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マンションの売買契約において、契約内容に手付金支払いの項目があれば、契約締結後に手付金の授受が行われます。売主のあなたは買主から手付金を受け取ることになります。

今回は、この手付金の役割や相場などについて見てみましょう。

売買契約後のキャンセルについてはこちらの記事でも解説しています。

手付金とは?

手付金とは、買主が売主に対して契約後に支払う前払金のようなもので、当然、売買代金に充当されるものです。

支払いが強制されているものではありませんが、マンション売買の場合は通常支払う旨の条項が契約書にあるでしょう。

手付には解約手付、証約手付、そして違約手付という3種類がありますが、売主が宅建業者以外(普通の個人)なら原則民法557条により解約手付とみなされます。

ちなみに売主が宅建業者の場合も宅建業法39条が適用されてやはり解約手付とみなされます。

マンション売却での手付金の相場と受け取る時期は?

手付金の額については当事者間の話し合いで決まりますが、相場は売買代金の5~10%程度が多いようです。

また特別の事情が無ければ契約当日に支払われるのが通常です。

現金で支払われることも多いですから、予め銀行員の派遣を依頼しておくのも良いでしょう。

手付解除について

契約を結ぶと当事者はそれに拘束されるのが通常です。そのため、もし契約内容の履行ができなくなった場合は債務不履行となり損害賠償(違約金)の対象になります。

しかし例外があります。それが手付解除という制度です。

手付解除とは、手付金を支払っている場合、その手付金を放棄すれば契約を解除できるというもので、買主が解除を申し出た場合、手付金以外の金銭的損失を追う必要がありません。

一方で買主保護の観点から売主側から手付解除する場合は手付金の2倍を支払わなければならないと規定されています。

ただし、いつまでも手付解除ができる訳ではなく、相手方が履行に着手した段階で手付解除はできなくなり、通常の債務不履行となってしまいます。

ちなみの履行の着手とは、買主が残りの売買代金を支払って来たり、登記を移転したりすることを指しますが、個人間の取引の場合は手付解除ができる期間を契約書に記載することが一般的になっています。

手付解除した場合、仲介業者に支払った手数料はどうなる?

手付解除により契約自体が無くなりますが、もし契約時に仲介業者に仲介手数料を支払った場合は戻ってくるのでしょうか。

仲介業者の仲介手数料は『最終的に有効に契約が成立した場合の報酬』であるので、返還されるべきだという意見があります。

ただその一方、契約自体は問題なく締結され、当事者の事情で仲介業者の報酬が無くなるのはおかしいという意見も根強く、こちらから何らかのアクションを起こさないと返ってくることはまず無いというのが現状です。

最近は揉めるのを避けるため、仲介に関する契約書に、手付解除した場合、仲介手数料をどうするか記載していることも多いようです。

まとめ

手付金は売買代金に充当されるものですが、マンションの引渡が無事終了するまでは預かっているものと考えて手を付けないのが無難でしょう。

残念ながらいつ何が起こるか分かりません。売主側から手付解除しなければいけない事態に備えることも重要です。

また、高額すぎる手付金は自分の首を絞めることになりますので、5%から10%程度の適切な額に収めておきましょう。


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