マンション売却後の確定申告の取得費の計算方法

マンション売却をして所得が生まれたら、次の年の3月に確定申告をしなければなりません。

しかし、マンション売却による確定申告なんて、普通に生活をしていたら関わる機会のないものですよね。

今回は、特にわかりにくいマンション売却後の確定申告での取得費の計算方法についてまとめてみました。

前提)譲渡所得の計算方法

まず、マンション売却で得た譲渡所得の計算をします。

譲渡所得は、

譲渡所得 = 収入金額 - (取得費 + 譲渡費用)

として算出することができます。

内訳をみていくと、

  • 収入金額とは、マンションの売却代金です。
  • 取得費とは、マンション購入時に支払った金額や、その後のリフォーム費用などを減価償却したものです。
  • 譲渡費用とは、マンション売却時にかかった仲介手数料や印紙代、登記費用などのことです。

今回の記事では、このなかの取得費について細かく見ていきます。

取得費の計算方法

マンションの取得費は、購入代金以外にも、購入時の仲介手数料印紙代不動産取得税登記費用を含めることができます。

この他、立退料解約違約金などがあれば、それも取得費になります。

マンション購入時の契約書や領収書などを揃えて、できる限り経費として算入できるようにしましょう。

減価償却費の計算方法

マンションの取得費の計算にあたり、建物部分の減価償却の計算をします。(土地についての減価償却はありません。土地は何年経っても傷むことがないためです)

建物は使用すればするほど価値が下がっていきます。その減った価値を考慮するのが減価償却です。

仮に10年住んだマンションが、購入価格と同じ値段で売れた場合、減価償却した建物価格で計算するため、売却益が出ることになるのです。

減価償却費の計算には定額法と定率法がありますが、中古マンションの場合、基本的には定額法により算出します。

定額法の減価償却費の計算は、

減価償却費 = 建物購入代金 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

です。

償却率については、建物の構造ごとに定められています。建物が木造の場合は33年、軽量鉄骨の場合は40年、鉄筋コンクリート造の場合は70年で償却するように、償却率が設定されています。

中古マンションなら、鉄筋コンクリート造が多いでしょう。その場合の70年での償却率は0.015です。

ケーススタディ

仮に新築時5000万円で購入したマンションを10年後に売却するケースでは、

5000万円 × 0.9 × 0.015 × 10年 = 675万円

となり、675万円分の価値は失われたと考えて、

5000万円 - 675万円 = 4325万円

が取得費として算入できる建物の価格になります。

5000万円で買ったマンションが5000万円で売れたら、差し引きゼロと考えてしまいがちですが、実際は「住んでいた期間に消耗した分価値が下がっているのに、同じ価格で売れた」=「その分儲かった!」となるので気をつけましょう。

※計算を簡単にするために土地や諸経費は省いて考えています。

マンションを相続で取得した場合

マンションを自分で購入した場合は契約書などを保管しているかと思いますが、相続などでマンションを取得した場合、その取得価格が分からないことがあります。

相続の場合でも、契約書があればその取得価格を引き継ぐことができますが、取得価格が分からない場合には、概算取得費を利用することになります。

概算取得費は、マンション売却代金の5%となります。

5000万円の売却代金なら、250万円が概算取得費として経費になります。250万円しかと言った方が正しいかもしれません

普通に購入時点の契約書などがあれば、そちらで計算した方が取得費は高くなり、税金も安く抑えられるはずです。

金額の大きなものですから、相続する予定のマンションがある場合には生前から資料をまとめておいてもらうなど相談しておくと良いでしょう。

まとめ

マンション売却で利益が出ることはそれほど多くはないでしょう。3000万円の特別控除もあります。

マンション売却益の3000万円特別控除を知っておこう
売却益にかかる税金負担を軽減できる3000万円の特別控除について説明しています。

しかし、条件が良ければ、思わぬ高額な税金を支払わなければならないかもしれません。

特に購入時の諸費用売却時の諸費用などは資料があるかないかで大きな差につながります。

マンション関係の資料は一つにまとめて保管しておくようにしましょう。


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